東京・荒川の保育所で保育士数水増しで認証取り消し



東京都は2008年3月21日、保育士の人数を水増しし虚偽の補助金交付申請をしたとして、荒川区の認証保育所(乳幼児の入所待機解消策として都が独自に施設整備などの基準を設けて導入した保育所)『じゃんぐる保育園』の認証を3月31日付で取り消すことを決めました。認証保育所の取り消し処分は初めてのことです。


東京都の調べによると『じゃんぐる保育園』は、2006年6月から2007年8月までの15ヶ月間、補助金交付申請などを提出する際、定員30人の同園設置の際に必要とされる施設長を含めた保育士7人の配置基準を満たすため、面接した保育士の履歴書などを使い、実際には採用していない、さいたま市の保育園の保育士を二重登録して保育士5人を水増しするなどして虚偽の書類を提出し、足立区、荒川区、台東区の3区から合わして約3,800万円を不正に受給した疑いがあり、東京都は『じゃんぐる保育園』を運営する『日本保育支援協会(千葉県市川市)』に対して補助金の不正受給分返還を求めています。


『じゃんぐる保育園』を運営する日本保育支援協会の三谷忠士代表取締役は「(水増ししたとされる)保育士を採用するつもりだった。悪意はない」などと弁解していますが採用の動きはなかったようで、一方、東京都では今後、保育士自身の就業承諾書提出を義務付けるなど、再発防止策を検討しており、石原慎太郎知事は3月21日の定例会見で「専門家を派遣して精査する」と述べました。


2008年3月22日・毎日新聞より一部引用


資格保有者の設置基準が書類を提出するだけでOKというシステム自体に問題があるので、その法の網をかいくぐって、不正に補助金などを受け取ろうとする者が出てくる事は当然といえば当然ですよね。


保育士だけでなく、宅地建物取引主任者など、資格保有者の設置基準がある国家資格は多いと思いますが、実際には採用、勤務していないにもかかわらず、設置基準を満たすためにだけ名前を貸している「名義貸し」は普通に行われていますので、このシステムを根本から見直す良い機会かもしれませんね。




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